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只当漂流在異郷

和光 ― Wakō ― 作品について

特定の種を持たない一羽の鳥として、実在する埼玉県和光市の空を飛ぶ作品。 国土交通省 Project PLATEAU が公開する実測3D都市モデルをそのまま用いて 建物群を再現し、その上空を自動遊覧または手動操作で飛行する。

和光市の地形は、南西の武蔵野台地(標高約40m)から北東の荒川低地(標高約5m)へ、 約35mの高低差を一息に下る「片流れ」をなす。この地形は国土地理院の標高データを 焼き込んだものであり、演出上の誇張ではない。飛行経路は和光市駅・理化学研究所 和光地区・午王山遺跡・幸魂大橋などの実在ランドマークを、自己交差しない一周 約9.6kmの閉ループで結んでいる。

見かた・操作

建物は Project PLATEAU の実測 3D 都市モデル(建築物 LOD2。壁面や庇までは無く、 屋根形状までを再現する精度)をそのまま使っている。地表は国土地理院の空中写真 (オルソ画像)を地形の起伏へ焼き込んだもので、遠景ほど淡く消えていく霧(フォグ)は、 建物データの取得距離の切れ目を視覚的に隠す演出であり、和光市の外に何も無いことを 示すものではない。画面上に浮かぶ地名ラベルは GPS的な現在地表示ではなく、 機体から見えている実在ランドマークの見出しである。

起動直後は自動遊覧が動いており、何も操作しなくても市内のランドマークを 順に巡る。画面に指を置いただけ・ポインタを乗せただけでは遊覧は解除されない (触れた瞬間に飛行が自分の手に落ちてこないようにしてある)。実際に舵を切る・ 羽ばたく・翼をたたむのいずれかが入った時点で手動飛行へ切り替わり、 手動のまま12秒間なにも操作しなければ自動遊覧へ戻る。指を置いたまま 動かさずにいた時間も、この12秒として数える。

タッチとポインタの操作は、覚えることが3つだけで済むようにしてある。

  • ドラッグ: 旋回と上下。押した位置を中心にした仮想スティックとして働く。 マウスなどのポインタで画面をドラッグしても同じ。
  • ダブルタップ: 羽ばたく。0.3秒以内の2度打ちで1打ぶん入る。ドラッグの直後の 指離しは2打目として数えないので、旋回の途中で意図せず羽ばたくことはない。
  • 長押し(700ミリ秒): 翼をたたんで加速する。指を置いたまま700ミリ秒動かさないと 掛からないので、押してすぐ動かす通常の操舵では誤作動しない。いったん掛かった あとは指を動かしても解けず、そのまま同じ指で旋回・上下を続けられる。 指を離すと翼は開く。

画面下部に常時出ているボタンは「一時停止」と「メニュー」の2つだけである。 飛んでいる鳥や地上を隠さないよう、それ以外の操作はすべて「メニュー」の中へ まとめた。左・右・上・下・羽ばたくの操作ボタン、視点・地図・地名の表示の 切り替え、水平線の固定と羽ばたきの揺れ、高度・速度・方位・モードの数値、 そして操作のしかた(ジェスチャとキー割り当ての一覧)が入っている。 タッチもキーボードも使わず、このメニュー内の可視ボタンだけで飛ぶこともできる。

  • キーボード: 矢印キーで旋回・上下、Space で羽ばたき、Shift で翼をたたんで加速、 C で一人称/三人称の視点切替、P で一時停止/再開、Esc で操作を離して自動遊覧へ戻る。

飛行中は画面上に和光市駅・市役所・理化学研究所などの主要な地名が、機体からの 距離や画角に応じて最大6件まで表示される。これは「メニュー」の「表示」にある 「地名の表示」からいつでも消せる。

北を上に固定した小地図(ミニマップ)は、画面が広いときは右上の「地図」ボタンで、 スマートフォンなど狭い画面では「メニュー」の「表示」にある「地図」から開く (開いたあとは右上のボタンでそのまま閉じられる)。自機の位置・主要なランドマーク・ 自動遊覧の経路・いま向いている方向を、抽象化した点と枠だけで示す簡易図である。

快適性

「メニュー」の「快適性」から、視点の酔いにくさに関わる設定を調整できる (視点だけは「表示」にある)。選んだ内容は localStorage に保存され、 次回以降の訪問にも引き継がれる。

  • 視点: 三人称(既定)と一人称を切り替えられる。三人称は機体の傾きの一部しか 画面へ伝えないため、旋回時の前庭系への刺激が一人称より弱く、酔いにくい。
  • 水平線の固定: オンにすると旋回中も画面の水平線が傾かなくなる。
  • 羽ばたきの揺れ: 一人称視点でのみ働く、羽ばたきに伴うカメラの微動を止められる。
  • 地名の表示(既定オン): 画面上の地名ラベルを消せる。酔いにくさとは関係がないため、 「動きを減らす」設定で開始した場合も自動では消えない。

「動きを減らす」設定(prefers-reduced-motion)が有効な環境では、このような 3Dアニメーションを無断で自動再生しない。代わりにデータ量(約39MBの3D都市データ)を 明示したボタンを提示し、押した場合のみ、水平線を固定し羽ばたきの揺れを止めた 静穏モードで開始する。動作中に設定が切り替わった場合も、自動では再生を続けず 一時停止し、明示的な「再開」操作を求める。

技術

建物群は Project PLATEAU の3D Tiles(建築物 LOD2、61タイル)を用いている。 配信元の .b3dm から属性テーブル(本作では使わない)を取り除いて素の GLB を 切り出し、61タイル合計で約39MBまで削減した上でサイトに同梱している。地形は 国土地理院の標高タイル・空中写真を焼き込んだ静的データで、実行時に外部サーバへ 問い合わせることはない。レンダリングには three.js と 3d-tiles-renderer を用い、 この作品ページを開いたときにのみ読み込まれる(サイトの他ページへは一切波及しない)。

出典: 国土交通省 Project PLATEAU 3D都市モデル(和光市 2025年度)を加工して作成 (PDL1.0)/国土地理院 標高タイル・全国最新写真を加工して作成/ © OpenStreetMap contributors(ランドマーク座標)。 出典表記の全文は public/gallery/wako/SOURCES.txt を参照してください。

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